社会モデルとしての障害
発達障害を「社会モデルとしての障害」として捉えて子どもと接する事に努めています。そう捉えることで子どもたちとのかかわり方が少し変わってきます。
寛容で楽しいコミュニティ
「トレラントキャンプ」とは、寛容な共同生活という意味です。
いつでも、何があっても子どもたちが「受け入れられている」という実感を持ち、「楽しい」と思える居場所でありたい と考えています。
社会性を身につけるための集団活動
子どもの成長には子ども同士、仲間同士の繋がりがとても大事だと考えています。子どもは集団活動を通して自然に他者とのかかわり方を身につけます。
スタッフは一人ひとりが集団に入れるためのお手伝いをします。
社会モデルとしての障害とは
障害には「医学モデルとしての障害(機能障害)」と「社会モデルとしての障害」の2つの捉え方があります。
「医学モデルとしての障害(機能障害)」は本人の障害そのものの事を指しています。「社会モデルとしての障害」はその本人と環境の間に生じる相互の不適応によって起きる「生き辛さ」を指しています。
子どもの障害を「社会モデルとしての障害」と捉えると、例え、子どもに機能面の障害があったとしても、「環境」を整える事で障害を取り払うことができます。
トレラントキャンプでは、スタッフの子どもとのかかわり方を「環境」と位置付けています。スタッフは障害がある子どもを「1人の子ども」として捉え、自然に接することを心がけています。
そうすることで、トレラントキャンプにいる時は、子どもたちは障害児ではなく、1人の子どもになります。
1人の子どもとして、トレラントキャンプで仲間をつくり日々の生活が充実することを願っています。
寛容で楽しいコミュニティとは
障害の有無に関わらず、子どもは「受け入れられている」状態でなければなりません。
子どもも大人もお互いの様々な違いを寛容に受けとめられれば、楽しく安心して過ごす事ができると考えています。トレラントキャンプは子どもたちが楽しく安心して過ごせる居場所でありたいと願っています。
発達障害がある子どもたちも成長に伴い社会に出ることになります。社会に出ると、誰でも不安を感じることや上手くいかない事が出てきます。そのような時に、楽しく安心して過ごせる居場所があることで、社会生活での難しさを乗り越えられると考えています。
トレラントキャンプは子どもたちが社会に出た後も、できるだけ長く付き合っていける居場所でありたいと願っています。
子どもは成長するにつれて、仲間集団に入り集団の中での自分を感じることで帰属性を持ちます。帰属性を持つことが自己同一性(アイデンティティ)を獲得することに大きく関係しています。自己同一性は他者との関係(社会性)を作るうえで、とても大事なものです。
しかし、「社会モデルとしての障害」を抱えている子どもたちは、うまく子ども集団に入れない事が多いと思います。すると、帰属性や自己同一性(アイデンティティ)の獲得が難しくなってしまいます。社会性を身につけるには、自分が受け入れられていると感じられる「集団」が必要です。
トレラントキャンプは、10人の集団を設定しています。その「集団」の中でお互いに作用し合うことで自己同一性(アイデンティティ)を獲得し社会性を身につけることができると考えています。「集団」に入ることが難しいと思われる子ども達ですから、ぶつかり合うこともあります。中々集団に入れないこともあります。すぐには上手くいかないと思います。
トレラントキャンプのスタッフは、そんな子ども達がお互いに、集団を作れるように良い雰囲気を作りながら それぞれのペースに合わせて長期的にお手伝いしていきます。
トレラントキャンプはこの3つの事を大切にしています。
トレラントキャンプを利用している子どもたちにも、ぜひ、トレラントキャンプの「メンバー」という気持ちでいて欲しいと思っています。